家の中で過ごす際、そして、家を建てようとする時、
居住空間でギャップを感じる、そしてギャップを生む
ということはあまりないのですが、
有名な建築をみていると、随所に空間のギャップを取り入れている。
そのギャップの旨みをうまく使って空間を構成しているのである。
建築の巨匠達からすれば、それが建築デザインであり、それありきで作る場合もあり、魅せるべきポイントなのかなと。
私は仕事柄たくさんの建築を見ている。
仕事柄じゃなくても、学生の頃、建築学科だったので、数々見てきている。
そんなわけで、いい空間と悪い空間の線ぐらいはわかっているつもりである。
なんでこんな感じにしてしまったのだろうとか思う建築もあるが、
建築までのストーリーや建てた人の思いが入っていれば、それはそれでいいのである。
でも、基本的に建築家(設計士)が入っている物件(建物)に対してはあまりなんでこうしてしまったんだろうと思うことは少ない。(たまにあるが、、、)
空間のギャップと伝えたが、
建築家達はその空間を楽しんでもらうため、
この土地や建物の魅力を最大限発揮するための施策(アプローチ)の見え方をよく考えている。
暗いトンネルから明るい場所へ出るように。
森の中からプライベートビーチへ出るように。
険しい山道を超えた山頂からの景色を見るように。
夕方ぐらいから我慢してきたビールを仕事終わりと同時にプシュッとするように。
人生において、高低差を楽しむように、摩擦を楽しむかのように
家作りにおいてその楽しさを持ってきているように思える。
それに無意識でついて行っているし、その空間にハマる人と見極められて設計されているのかと思う。
稀ではあるが、建築の巨匠達の手がけた物件が売買されて出ることはある。
でも、それは一般には届かない。保存されたり、お金を持っている人が別荘使いしたりして、普通に居住として住むことはむずかしい。
住んだとしても、保存活用のための修復に追われることになるだろう。
でも、その巨匠達の思想を取り入れた物件だとどうだろうか。
模倣ではあるが、その意思は建物が残る限り引き継がれる。
そして、売買でその思想が繋がっていく。
その時代が1970年代だったら、その時の思想が現代においてとても貴重なものになってくることがわかる。模倣でも50年前の建築家の思想は価値がつくんじゃないかと考える。
前置きが長くなりがちな私、記事を書いている中村です。
よろしくお願いします。
なんと、その思想を形にした物件が葉山に登場しました。
ル・コルビュジエの思想を取り入れた
1971年の鉄筋コンクリート造の建物である。
どうやってこのフォルムになったかの歴史は不明だが、
”コルビュジエが好きだった前所有者が建てたんです”と。
中を見せてもらった時に結構驚きました。
玄関のアプローチや建物の構造の作り方、屋上の作り方、窓の取り方。
なかなか今では考えられないような形で残っています。
皆様はご存知でしょうか。
コルビュジエ・・・本名シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ
まず本名知らないですよね。
ル・コルビュジエは、
ドイツのミース・ファン・デル・ローエ
アメリカのフランク・ロイド・ライトと並ぶ近代建築の三大巨匠の一人であります。建築を学んだ人なら必ず学ぶ人です。
主にフランスで活躍しており石や煉瓦を積み上げてつくる建物が主流の時代に、”鉄筋コンクリート”という新しい素材を得て革命的な建築物を生み出しました。
現在の建築では当たり前に使われている
「近代建築の5原則」
①ピロティ ②屋上庭園 ③自由な平面 ④自由な立面 ⑤水平連続窓
を唱え、
そして「ドミノシステム」
現在でいうスケルトンインフィル構造です。
=骨格を作り、中はいかようにも壁は変えられる当時のRCでしかできなかった構造です。
さらには「モデュロール」
人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法の数列を見出し、建築に利用しました。
これらは1920年代においては相当画期的なものでした。
今では当たり前に建物やマンションにも取り入れられています。
そんなコルビュジエの思想を取り入れたいと建てた住宅。
普通に住んでますし、売買できれば住めます。
できれば壊さず改装して住んでほしいな。
この意思を継続してほしい。
まずは上記、近代建築の5原則に沿って現地の写真を見ていきましょう。
①ピロティ
空中に浮かぶイメージまではいかないですが、ピロティ(1階が柱だけで構成されている)空間のように大きな庇を用いて、外と中の合間の空間に曖昧さを設けています。
②屋上庭園
ルーフバルコニーと1階の上には庭園が広がっています。
これはもう思想そのままですね、そして何より抜けがいい。
住宅街に佇むのですが、それすら感じさせない立地です。
③自由な平面(設計)
形状も表からは想像もつかないような空間になっています。
傾斜地を生かした空間構成を平面で作っています。
空間を遮るには簡単な仕切りで可能です。
1970年代にしてはお金かかっているな〜という構成です。
④自由な立面(ファサード)
シンプルなRC造ならでは、外には装飾が施すことができるほか、窓などにも装飾ができるようになってます。また、1階には光窓などもあり、現地でないと体験できない要素が散りばめられています。
⑤水平連続窓
いかがでしょうか。
思想が繋がっているのがわかりますでしょうか。
また、現在住んでいる人がとても愛着を持って暮らしています。
そのファサードに負けないようなインテリアと空間の利用のセンスが光る暮らしです。
建築家の家に住むと、その建物の圧力に負けることはあるのですが、
この家の場合は建物がオーナーに合わせにいったような空間に感じます。
それは逆にコルビュジエの考えた思想なのかもしれません。
他の内部も見ていきます。
これは、内部見たくなりましたね。
葉山でにわかに起こっていた近代建築運動。
ここ、葉山町一色にありました。
居住中ですが、ご案内可能です。
nakamu-ra
物件種別 | 中古戸建 |
---|---|
所在 | 三浦郡葉山町一色 |
交通 | JR横須賀線「逗子」駅 バス16分 「葉山大道」徒歩3分 |
土地面積 | 307.00㎡ |
土地面積(坪) | 92.86坪 |
建物面積 | 148.98㎡ |
建ぺい率 | 40% |
容積率 | 100% |
土地権利 | 所有権 |
地目 | 宅地 |
建物構造 | 鉄筋コンクリート造 地上2階建 |
現況 | 居住中 |
築年月 | 昭和46年11月 |
施設 | 公営水道, 本下水, 個別プロパンガス |
間取り | 4SLDK |
都市計画 | 市街化区域 |
用途地域 | 第一種低層住居専用 |
法令制限 | まちづくり条例, 風致地区, 宅地造成等規制区域, 土砂災害警戒区域, 急傾斜地法 |
取引態様 | 仲介 |
引渡日 | 相談 |
情報登録日 | 2020/02/23 |
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