
赤坂のタワーマンションから見下ろす夜景は、確かに眩しかった。
けれど、その光の下での暮らしは、どこか呼吸が浅かった。
43歳の夫は広告代理店で数字に追われ、40歳の妻は息子の中学受験に心をすり減らしたままでいる。

受験の結果は良かったものの、夫婦の会話はすっかり儀式のようになっていた。
「今日、塾どうだった?」
「あなた、また帰り遅かったわね」
そんなやりとりばかり。AIの方がよっぽど感情がある。

ある夜、妻がぽつりと言った。
「ねえ、逗子に行かない?」
唐突な提案だったが、夫は頷いた。
2人が恋人だった頃によく出かけた場所だったからだ。

今回は、共通の友人でもある逗子の不動産屋から「面白い物件がある」と勧められていたのだ。
半ば冗談で聞いていたはずが、気づけば週末、3人で電車に揺られていた。
――逗子市山の根。

駅の西口から徒歩10分。平坦な道を進み、最後に急な坂が現れる。
「うわ、急だなあ」
息子が顔をしかめると、妻は言った。
「でも短いでしょ。ほら、人生もそう。大変なのは意外と50メートルくらいなものよ」

坂を登り切り門扉の先に広がったのは、広大な敷地だった。
「・・・広いな」
今度は夫が思わず息を呑む。

芝生の真ん中には東屋があり、木漏れ日を受けて静かに佇んでいた。
庭の一角には小屋を建てられる余白もあり、息子は「バスケットゴール置けるね」と声を弾ませた。
駐車場も4台分はある。



延床面積144.5㎡、3LDKの間取りの使い勝手も悪くなさそうだ。さらにリノベーション済みだ。
大きな窓からは駅徒歩10分とは思えない緑と空が切り取られ、光がたっぷり差し込んでいた。
「築年数はたっているけれど、十分綺麗だわ」
妻の声は久しぶりに軽やかだった。
「駅から近いのもいい。葉山への憧れもあるけれど、通学も通勤もまだあるし、ここならちょうど良いかもな」
夫の言葉に、妻も頷いた。
この物件は、現在、民泊としても稼働していて人気だという。

確かに、この景観と広さなら人を惹きつける。
だが今の3人にとって大事なのは、「都心からの距離」と「住みやすさ」そして「終の住処としての可能性」だった。
息子は少女のような顔立ちだが、中学1年生にして既に175センチあり、入部したバスケットボール部でも期待されているらしい。
そのひょろっとした上体を窓から庭に出し、振り返りながら「レトリバーを2匹、飼おうよ」と真顔で提案する。
その姿を見ながら、夫は思った。
――ここでなら、都会で少しずつ硬くなってしまった心が、もう一度柔らかくなるかもしれない。
価格は8,500万円。確かに簡単に決められる金額ではないけれど、この金額なら十分手が届く。
そして数字以上に、この土地と家がもたらす時間の価値を感じた。

東屋に腰掛け、3人で風に吹かれる。
沈黙はあるけれど、それは都会の重苦しいものではなく、未来へ向けた余白のようだった。
――物語の先を確かめるのは、現地で。


| 物件種別 | 中古戸建 |
|---|---|
| 価格 | 8500万円 |
| 所在 | 神奈川県逗子市山の根 |
| 交通 | JR横須賀線「逗子」駅徒歩約10分 |
| 土地面積 | 697.52㎡ |
| 土地面積(坪) | 210.99坪 |
| 建物面積 | 144.55㎡ |
| 建ぺい率 | 50% |
| 容積率 | 100% |
| 土地権利 | 所有権 |
| 地目 | 宅地 |
| 建物構造 | 木造2階建 |
| 現況 | セカンドハウス利用・民泊運用中 |
| 築年月 | 1982年5月 |
| 施設 | 公営水道, 本下水, 都市ガス |
| 間取り | 3LDK |
| 都市計画 | 市街化区域 |
| 用途地域 | 第一種低層住居専用 |
| 法令制限 | 土砂災害特別警戒区域 |
| 取引態様 | 仲介 |
| 引渡日 | 相談 |
| 備考 | 明るい南西向き 逗子駅徒歩圏内 全居室にエアコンあり 駐車場4台分付き(車種による) 東屋・和式庭園あり 木々と山に囲まれ、プライベート空間が充実 建替可能 延床面積にH22年6月1階増築未登記部分13.67㎡を含む 42条2項道路 急傾斜地崩壊危険区域 設備:システムキッチン、オーブンレンジ、空調機6台、浴室乾燥機、半身浴可能な浴槽 民泊稼働180日/年(収入750万円) |
| 情報登録日 | 2025/08/28 |
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