柔らかな反射(新しい箱根村の夢)

箱根・仙石原。
名前だけで胸の奥がすこし柔らかくなる。湿り気を帯びた森のにおい。遠くの山肌に絡みつく霧。
ニュー箱根ビレッジ6号棟は、そんな土地に、さりげなく、でもしっかりと腰を据えている。

和室は眠りの底にある夢。
畳の匂い、低い天井、射し込む斜陽がすべてを過去形に変える。
ここにいるとき、身体はわずかに重く、心はわずかに軽い。

(畳へのアプローチに静けさと祈りの構想を得る)

開け放たれた出窓の向こう、山並みがすこしも崩れずに在る。
けれど、ただ「美しい」と言うには何かが足りない。

(光は、輪郭をなぞるように山肌を照らし、風が、その輪郭を忘れさせるように吹いていく)

(山が美しいのではない。美しいということが、山のかたちを借りて、今日はそこに在ったということ)

(リビングの空気は厚みを持ち、天井の高さは思考の高さと比例するかのようだ)

マンションは高台にある。見晴らしは八階建てほどにもなりそうな眺望感。朝が静かにほどけ、夕方には世界が金色に溶けていく。リビングは3.7メートルの高い天井。まるで空そのものを部屋に持ち込んだような解放感。シーリングファンが静かに回る。微かな音と共に、ただゆったりと空気が巡っていく。

(山は、見る者の心の輪郭を映す鏡である。だから毎回、少しずつ違う)

大きな窓からは大涌谷の白煙。すすきの原が風に揺れ、光が舞い、影が伸びる。バルコニーにはテラコッタ。乾いた土の温もり。木製デッキを敷き詰めれば、足の裏にやさしい心地がする。ここで飲むあのコーヒーは、どこまでも澄んでいて、朝食のパンは思わず目を閉じてしまうほど柔らかい。前にそびえる大きな木が、まるで古い友人のように、ただそこに在る。何も言わず、何も求めず、ただ静かに見守っている。この佇まいと共に、夕方にはワインを開けよう。

管理棟にある温泉は新姥子温泉。掛け流し。贅沢という言葉がここでは少し野暮に思える。
湯は柔らかく、肌を撫で、心までほどいていく。サウナもある。好きな人にはたまらない。
嫌いな人も、ここでは自然と好きになる。湯のあとは、風が肌を冷やし、身体は芯から静かに温まる。

(湯気は、言葉より雄弁に幸福を語る。掛け流しの温泉は「語らない幸福」そのもの)

(サウナの静けさは、沈黙の中のもう一段深い沈黙──身体が理解する哲学)

駐車場は「空いているところにどうぞ」。そのラフさが、この土地の優しさだ。
建物は新耐震。バブルの頃のしっかりとした造り。2LDKの間取りは、別荘にはちょうどよく、日常にはとてもいい。
仙石原にはゴルフ場が点在し、練習場もぽつぽつ。気がつけば、クラブを握って打ち放っている自分がいるかもしれない。

坂道を下ってすぐ側のセブンイレブンの灯りが夜の闇をほどよく薄めている。仙石原の交差点までは、約600メートル。
交差点まで行けば、スーパーがあって、魚屋があって、精肉店がある。あのローストビーフは静かに、しかし確実に人生のランキングを塗り替えてくる。コロッケは笑ってしまうほど味わい深い。豆腐屋の惣菜は、遠い昔、誰かに作ってもらった味のようで、記憶の中にそっと溶けていく。寿司屋は魔法。口に運ぶたびに、しばし言葉を失う。
マンションから徒歩3分のコーヒーショップは、誠実で、静かで、ただただ美味しい。帰りにあのコーヒーショップに寄ってコーヒ豆を買って帰ると心に決める。心にスッと入り込む爽やかで豊かな味わい。

鳥が鳴いている。風が通り過ぎる。山は変わらずそこにある。
この場所で暮らすことは、特別でも派手でもない。ただ、ひたすらに芳しい。
生きることの速度を取り戻す場所。食べて、眠り、笑い、静かに過ごす。
時に踊りながら。

(鳥の声は、空間にあいた注釈。自然という本文を読み解く脚注である)

私を柔らかく見せてくれるこの空間。柔らかく反射するこの世界。
この瞬間が、なぜこんなにも贅沢なのか──ここに来れば、それもわかる気がする。

(光は、ここでは沈むというより、たたまれていく。ひと折り、またひと折りと)

夜になると、世界はやさしく目を伏せる。ここではそれを「静けさ」と呼ぶ。
ニューヴィレッジの夜は、私たちと私たちの世界とが争わずに済む、稀有な時間である。

私を柔らかく見せてくれるこの空間。柔らかく反射するこの世界と共に。

 

Halasho.

 

そして、、、

ペットの飼育が許されているという事実は、
この場所が「人間だけの静けさ」で終わらないことを教えてくれる。
小さな生きものの気配──足音や寝息、ぬくもりが、空間の意味を変えていく。
孤独と安らぎは、背中合わせではなく、ときにじゃれあう。

交通もまた、日々の夢を支える静かな構造だ。
ここからは小田原駅や箱根湯本駅行きのバスがあり、ふいに都会のざわめきが恋しくなったときには、
新宿へと伸びるバスもあるという。
山に抱かれながら、都市とつながっているという感覚──
それは「逃避」ではなく、「選択」としての静けさを意味する。

 

物件種別 マンション
価格 580万円
所在 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1100-11 箱根ニューヴィレッジ6号棟-101
交通 小田急箱根鉄道線「箱根湯本」駅 バス30分バス停歩8分 JR東海道線「小田原」駅 バス45分バス停歩8分 東海道新幹線「小田原」駅 バス45分バス停歩8分
建物面積 62.63㎡
土地権利 所有権
建物構造 鉄筋コンクリート造瓦葺2階建
現況 別荘利用
所在階 1階
築年月 1985年6月
施設 その他の水道, 浄化槽, その他の下水, 集中プロパンガス
間取り 2LDK
法令制限 景観法, 土砂災害警戒区域
取引態様 売主
備考 管理費:27000円  修繕積立金:4200円
浄化槽維持費:1500円/月  ガス料金:2662円(基本料金)+使用料/月  水道料金:3296円/月
・ペット飼育可(管理規約による)
・小田急ハイウェイバス(箱根仙石原→バスタ新宿)1日 約10本運行

情報登録日 2025/04/20

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